国民からの【元気玉】事業である保険薬局・薬剤師 医療業界の過渡期2020年
僕は、【保険薬局のビジネススキーム】を【元気玉事業】と呼んでいる。
ドラゴンボールの読者の方なら【元気玉】の意味はわかるだろう。
地球上の全ての生物から体力を少しずつ分けてもらいながら、1つの巨大なネルギーを作り出して相手に与える悟空の技だ。
保険薬局のビジネススキームはこれに近い。
国民の給与などから毎月引かれる【保険料】がある。
ここから利益を生み出しているのが、今の保険薬局事業。
やっていようが、やってなかろうがバレない上に、支払いは行われる仕組み。
(※本来の意味では、患者に指導をし、それに相応しいサービスを提供した上で保険点数をつけるべきだが、薬局の忙しさなどの観点からそれを実際にやっている所は少ないだろう。)
僕的には、そろそろこのビジネスモデルは成り立たなくなるだろうと思っている。
この間、卸業界の方と話をしていたが、【薬局業界だけでなく卸業なども変化が必要になるのではないか】と。
【一般社団法人 次世代薬局研究会】によれば、薬学部というものは医学部や歯学部と違って【需給調整】が行われないままに新設が進んでいるそうだ。
これが薬学教育の中の問題にも繋がっており、一番の問題点が【薬局内に薬剤師として精通した教官がいない】が挙げられている。
これは僕がこの間記事にした内容の中身にも繋がってくるであろう。
(※この記事を書いた後に上記の問題点が浮上していて驚いたよ)
↓
近年、薬学部の卒業生は奨学金などの1000万円を超える借金から給与が高い薬局側へ就職する例が多い。
病院に就職する人が、薬学生の時代に優秀な人ばかりなのかと言うと、そうではない。
にも関わらず、薬局に【適切な薬に精通した教官がいない】
それどころか、薬局の数は儲かるので増加している。
僕も新卒で働き出した際に、ちゃんとした先輩薬剤師に薬のことを指導されたことはない。
僕が新卒で薬局に就職して働き出した最初の頃
先輩薬剤師 「君は何も質問してこないね。ちゃんと分かってる?(怒)」
(※先輩社員的には、業務のことで質問して欲しかったのだろう)
俺 「(じゃあ、聞くか・・・自分で調べようと思ってたけど。)この透析患者さんですけど、何で透析日には薬を抜くことになってるんですか?」
先輩薬剤師 「それは・・・・何でだろう・・・・」
俺 「(いやいや、、、、今までもずっと調剤履歴あるけど何も分からんままに調剤してたのかよ・・・・・・)」
大体、人手不足で若手が辞めていき流動性の高いところはこんな質なのだ。
薬局業界は。
都会に行けば、まだ若い人もいるのかもしれないが、僕の後輩から聞いた話では、東京でも若手薬剤師は、まず【やる気が】・【ある人】と【ない人】でかなり大きく分かれているそうだ。
(※↓で出てくる後輩だが)
こんな訳も分からないままに調剤をしているのに、保険で点数はとり、医療費から利益をあげるこのやり方には限界があるように思う。
国民は間接的に財布からお金を抜かれているので、業界人以外の殆どの人は自覚もしていないだろう。
何故なら、薬局に来てお金を払っている0〜3割負担の人ですら、本来は薬剤師の行動に数千円近い価値を払わされているのに、実際に払う金額は数百円なので気づいていないだけなのだ。
(※本来なら5000円実費の医療費が0円〜1500円と格安の出費に変わり、何に一体お金が取られているのか国民側も把握していないだろうからだ。)
ここが今までは薬局側からすると良かったのだ。
バレないからね。
もし、保険制度が破綻したとして、国民から【ミヤBM】を1日3回の5日分、殆ど害の無い薬(※大腸ガンなどにもエビデンスがあると論文が出たりもしている)を取って渡すのに手数料で151点(※金額として1510円)を患者さん側が喜んで払うだろうか。
薬価は6円ほどなので、普通に15錠を購入できたと仮定すれば100円程度だ。
さて、この記事を読んでいる薬剤師側に問いたい。
あなたは、この薬を患者さんに説明する上で本来なら100〜200円程度で済む薬を渡すのに、1510円とる訳だ。
つまり、薬剤師としての説明や調剤に1510ー200円で【差 1300円】相応の「患者さん側から喜んで払います!」と言える説明ができるだろうか?
「できます!」と言えた方は、素晴らしい。
普段の仕事でも、頑張っているのだろう。
家に帰ってからも、自己研鑽しているのだろう。
(※日本の医療従事者は自己研鑽が前提とされている)
だが、僕が就職してから保険薬剤師を辞めるまでに見てきた
地方薬剤師では、ほぼ見たことがないな。
何なら、疑義照会案件があろうが見逃すし、変な処方であっても『医師が書いてるんだからそういう使い方もあるかもしれないじゃないか。』と馬鹿げた事を抜かすほどだ。
⬆︎
ここに僕が今の保険薬局ビジネスモデルが国民からの【元気玉】事業と読んでいる真が
ある。
そもそも、国民の金を使ってまで、薬剤師からのサービス手数料を取る必要のない薬剤が実際には、【保険制度の対象医薬品】になっているケースが多すぎるんだよ。
コレは何も薬剤師だけではない。
診療所などに通っている患者さんの中でも、毎回のように同じ病名で同じ貼付剤や便秘薬を定期的にDO処方(同じ処方)で繰り返しているケースに、診察料や管理料などの一度診断などもされているルーチン化処方を国民で負担する必要性が分からない。
薬を貰って、失くした人にもまた病院に行ってもらい処方箋発行と薬局での医療費が掛かるわけだ。
(※これらを毎年のように手取りが減っていくような日本で国民の税金で負担しまくる必要があるのか?)
ついでに、何故、保険薬局ビジネスがボロ儲け事業なのかも解説しておこう。
僕が最近、読んでいた本に経常利益率が書かれている本があった。
平均経常利益率
・製造業=1.8%
・卸売業=0.8%
・小売業=0.4%
・サービス業=1.7%
平均粗利益率
・製造業=36.6%
・卸売業=23.9%
・小売業=33.9%
・サービス業=64%
これを見てもらうと分かるが、保険薬局事業は【サービス業】と【小売業】の両者の側面を持っている。
中でも、【サービス業】の粗利益率は他業種の2倍と破格である。
このサービス利益面を薬局は、保険制度を利用して儲けているので、儲けやすいのだ。
ここに小売業としての利益も乗ってくる。
逆に、「それでも儲けが出ないです。」と言うところは、元から薬局が乱立しているところに薬局を建ててある程度、取られてしまっている少ないパイを新しく薬局を建てて
奪い合おうとしてるから何じゃないだろうか・・・・・・
これが僕が【元気玉】事業と呼んでいる根拠だw
2020年の診療報酬改訂に向けて、調剤料などのサービス利益が下げられるだろうが、
それでも儲かるビジネスらしいが。
薬剤師もそろそろ、保険制度に依存した楽な金稼ぎは辞めて、
『0→1でサバイバルしてやるわ。』というぐらいの
意気込みで自力で顧客の財布を緩めてお金を払って貰えるサービスへシフトしていくべきだろう。
そもそも、薬剤師は薬売りだったのだから。
そのためには、マネタイズにもこれまでと違って工夫が要るし、茨の道になることは間違いないが、何もせずこのまま淘汰されていくのか、実際に行動を移すのか。
どちらが正しかったかは10年後だな。
(※ここ最近、日本の薬剤師の「海外の薬剤師は〜〜〜〜こんなこともしてて〜〜自分達にもやらせろ」というのを見るので、何故日本の薬剤師では海外薬剤師になり得ないかも今度、記事にしよう)