新卒薬剤師の教育の仕方について 〜今後の若手薬剤師は上の世代のツケを払わされるかもしれない〜
少し前に薬局薬剤師が【ワーファリン】の投与量を間違えて渡し脳内出血が起きたという記事が・・・・・
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http://www.news24.jp/nnn/news16503119.html
僕は、地方で薬剤師をしているが、本当に上の世代の薬剤師層の怠慢度合いはレベチラセタム。
・小児の子に、散剤の処方が来ても用法・用量があってるかもチェックせずに即調剤。
(※まともな薬剤師ならこんな事をしている薬剤師がいかにヤバイか分かるだろう。)
・軟膏もMIXできないものを、可否も調べずに即調剤。
(※後々、混合不可だったり。。。。)
でも、どうやら地方の個別指導とかは役割を果たしていないのかもしれない。
セレニカRが分2で出ていようが、混合不可を混合しようが、併用禁忌薬剤をスルーしてようが指摘されたことがないらしい。
それもあってか、バルプロ酸でもハイリスク算定できないものでも算定してるのだ。
(※不正請求?となるのか)
因みに、上記に挙げている内容は保険薬剤師としては防がなければならない。。。。
(※てか、適切な管理も調剤もできていないのにコレで薬剤師の手間賃的な感じで薬価以外に2000円とかの請求をしているのはどうなんだろうか。)
僕は薬局業界においてまともな調剤すらやっていない層を浄化していく事が一番必要だと思うのだが。
薬剤師が足りないという事を利用し、手抜きで高給取りの金稼ぎをする輩を。
これが薬局での不正が起きる原因と薬局叩き元凶の根本だと思うのだが。
(※患者側は0−3割負担なので自覚もなく300円程度なら払ってくれているんだろうけども、自費になったら「薬剤師が薬を取るのに手間賃で数千円もかかっている?ふざけとんのか。」とキレてくる人は沢山でるだろうね。)
しかし、近年、どんどん出てくる薬局不祥事に一般人ですら、ヤフコメにこういうコメントを残し始める程だ。
今日も【ミヤBM】を分3で5日分をピッキング調剤したのだが、調剤料や管理料を含めて上乗せすると1510円になって笑ってしまったよwww
(※薬剤師は何やってるかよくわからん人 → 職能認知へ移っているが、返って今までの適当なやり方がバレて来てる。そのツケを払わされるのはこれからの世代になるに違いない。)
何故なら上の世代の適当さが薬剤師の職能を狭めているからだ。
薬剤師なしで薬局営業していたり、ピッキングは薬剤師以外が当たり前にやっていたり、、、、、、
これらの「薬剤師がいなくても店が回るのかよ」という事実が巡り巡って2020年の改訂では、ボコボコに調剤料などが下げられるんだろう。
そして、企業が取る手段は利益が減ればどうするか?
①(まともに仕事ができない)人手を削って現在の給与を維持する
②全員の給与を下げる。
③別の事業で収益を補う
④もしかしたら日本調剤のように、皆が避けた道の逆を行きあえて敷地内薬局をしまくるなど・・・・・
さて、本題に入ると。
(※⬆︎10月ごろに教育本が出版されていたようなので追記)
【薬剤師の新卒教育について】だけども。
ボクが一つ疑問に思っているのが新卒からいきなり【ドラッグストア】の【OTC】だけを勉強させてしまうのは如何なものなのだろうかという点。
そう思う理由は、OTC医薬品だけを知っていても、そのお客様が他に何か薬を飲んでいなければ良いが、調剤薬局で薬をもらう方の医療用医薬品を飲んでいた際に対処できるのかと思ったからだ。
先日、ドラッグストアのOTC専門で新卒から働いている同期に
ボク『【ジェニナック】は何系の抗生剤?と聞いたところ』
友人『何それ。呪文?』と言われてしまった・・・・
つまり、新卒薬剤師は医療用医薬品にまず触れた方が良いとボクは思う。
ただ、OTCも適切に売れれば患者さんやお客さんから高評価を得られるのは確かで良いとは思うが。
(両方を知ることが最も良いけども)
ボクも昔、風邪で相談して来た人に既往歴などを踏まえた上で勧めたところ、後日。
客 『あ!前はありがとうございました!めちゃくちゃ効きましたよ!すぐに良くなりました!』
ボク 『(えっと・・・・誰だっけ・・・)あ!!!あの時のwwww それは良かったですw』
ということもあるからだ。
ただ、新卒の時は分からないことだらけで初めて聞く色々な商品名の薬を前にして
『ボク(私)はこんなにも知らないことだらけなのだ』と思い、不安になる。
不安があると、「自分のよく知らない物を扱う事は怖いな。」と思い、調べたり勉強するはずなんだ。
先日
後輩の新卒ドラッグストア薬剤師(他企業)から『どんな勉強法をしているのか教えてください。何したらいいのかよく分からないです。』とLINEが来た。
他の中小企業の調剤専門薬局の新卒薬剤師からも『何で勉強してましたか?教えてください。』
とLINEが来た。
どちらもOTC(一般用医薬品)の方ではなく、調剤の方であった。
僕がまず答えたのは、Twitterアカウントでも有名?な【Fizz】さんの
「【薬局で直ぐに役立つ薬の比較と使い分け】を買うと良いかも。」と答えた。
この本には、同じ効果を持つ薬でもどのような違いがあるのかを書いてくれている。
(※全ての薬剤をフォローできているわけではないと思うが、非常に分かりやすく仕事にも直ぐに役立つためモチベーションも良くなると思う)
また他の本では【小児科ファーストタッチ】とかもオススメした。
この本は、【岡本 光宏】さんという小児科医の先生が書いている本で「繰り返し治療方法の根拠を何度も程してくれているので、反復効果もあるし、色々と勉強になると思うよ。」と教えた。
【五苓散】を小児に処方し、たとえ吐き出されたとしても効果は期待できるなども書いてある。
ただ、細菌性腸炎に【ホスホマイシン:第一選択】理由が書かれていなく、
『その根拠がなぜ?』と思う読者もいるかもしれない。
僕は読んでいるときに思った。
調べていると【ネルソン小児科学】にも昔は根拠の記載がなかったという論文まで見つけた。
ただ、第一選択の理由は【細菌性腸炎】の際に【サルモネラ菌の感染リスク】も考慮してという事で選ばれていたそうだ。
参考論文: https://www.npojip.org/jip_semina/semina_no1/pdf/224-227.pdf
ただ、後輩達が『何の本を読んで勉強しましたか?』と聞いてくるが、僕が新卒で働き出した際に一番大事なこととして教えた事は。
(※Twitterでも散々書いているがw)
①患者さんとしっかり話す事
(※患者さんから学びを得ることも実際はかなり多いため。)
これを後輩に言ったところ返答があったのは、『僕の会社の薬剤師は、ヤル気がある人や無い人の差が激しいのと対人スキルが壊滅な人が多いです、、、、、』
この、薬剤師には対人スキルが壊滅的な人が多いというのは恐らく勉強してくる期間が多いのが関係しているのかもしれん・・・・
僕は学生時代にスロットなどもしていた。
でも仕事で役立った事はある。
患者さんで『関西圏のパチンコ屋の元経営者』という人が来た事がある。
そこで5号機や6号機のお話になり、色々と職歴や人生の過程までお話しして頂いた事がある。
接客業にも関わる薬剤師職は色々な背景を持つ患者さん・お客さんが来るため、マルチに色々なことを人生経験している事は無駄にはなり得ないと思う。
他にも、大動脈解離の既往歴のある患者さんに
『僕は昔、毎日のように血圧を測っていたんだけどね。ある日、両手の血圧が違うときがあったんだよね。しかも全然違うの。そして病院に行ったら大動脈解離だったんだ。先生から危ないところだったと言われた。自分で病気を見つけたんだ。』と語る御老人から新人で働いていた際に話をされて、僕は後で調べたら確かに症状にあった為、凄い勉強になったのを覚えている。
他にも、他店舗に行った際に【精神科】・【鉄剤・ビタミン剤・セルトラリン】の処方。
そこの常駐薬剤師は『いつも出てる同じ薬だし、貧血でしょ。』と言っていたが、僕が投薬しにいき話を伺うと全然違う。
患者さん 『貧血ではないですね。』
僕 『(やっぱりじゃん・・・・)先生から意図とか聞いてます?』
患者さん 『気持ちを安心させるのにとのことです。』
僕 『ちょっと待ってくださいね。あー。セルトラリンというお薬を飲んでますよね。
それは簡単に説明するとセロトニンの吸収を防いで量を増やすんですよね。で、セロトニンは気持ちを落ち着けたりするんですけれども、減るのを防ぐ薬があったとしても、そもそものセロトニンがなければ意味ないですよね?それで先生はこの間から、セロトニンを作るための原材料を処方に入れたということですね。』
患者 『それで先生は、精神に効果を期待してと言ってたんですね。』
こういう事例にも遭遇したこともあるし、処方医のカルテも見れない僕たちからすると患者さんと話をして聞き出すスキルは重要な事なのだ。
②処方箋を見て、処方意図を考え、疑問点は必ずメモ帳に殴り書きをして宿題にし、家に帰ってでも調べて別のノートにまとめていく事。
(※僕が昔まとめていってた小さいノート)
そして、それを日々、継続していく事。
(※ヒトは必ず忘れてしまうので、直ぐに思い出せる仕組みを作る事が必要だと思うから)
③患者さんに間違えて服用させると大変なことになる薬剤と大丈夫な薬剤を知った上で、処方箋を見ること。
(※これはとある企業の役員さんも言っていた。『この本質さえ分かっていれば、人なので間違いを起こすこともあるが重大な事象は起こらない。』と)
これが僕が最初に記事でもいった【ワーファリン】などの適性維持量はどれくらいなのかを把握しておき、見た瞬間にそこを確認したり、意識することなのだ。
④『薬について全てを覚えようとするな。』ということ。
これは僕の上司に昔、言われた言葉で
「『薬を勉強してるから自分は知っている』という奢りは必ず間違いをもたらす。」
「知らない・分からない・確信できない」と思ったら直ぐに調べるなりするべき。
(※そのためには適切に素早く判断を出せるように調べれる能力がいる)
僕的にはここが薬剤師にとって一番大事なスキルになってくると思う。
なぜなら、こんなにも便利になってきているこの現代で、薬品名は日々新しく増え続け・薬の適応症も増えていく世の中で全てを覚えるという事は不可能だから。
処方箋が来ても粉薬の量も適切量かも調べずに即入力の即調剤の薬剤師、処方箋原本を見ずに
薬袋や薬情を見ての監査する薬剤師など、知識がないから悪いのではなく。。。。。
本質を間違えないやり方をすれば重大事故は防げるのにそれを怠る事が招くのだと思う。
新卒で働き出すと知らない事だらけで不安だと思うため、比較的大丈夫な人も多いが、、、、、
僕が新卒の最初の時に、先輩とご飯へ行った際
ボク 『初めて触るのが多くて、聞いたこともない薬があるってメチャクチャ怖いんですけど。どうやって皆さんやってるんですかね。』
すると、その先輩が言ったのは
先輩 『大丈夫。そう思ってる時点で大丈夫だから。』と
今思うと、確かにそうだった。
薬学部の進級や国家試験もそうなのだが、成績が良い奴ほど【危機感】を持っているケースもあるのだ。
(※自分はまだまだ知らない事だらけなのだと・・・・)
しかし、周囲は『絶対、大丈夫じゃん。受かるじゃん。』というが、本人からするとそれもまた嫌だったらしい。
国家試験の問題を作っている教授にも昔、『ヤバい人は自分がヤバイと思ってないから留年したりしていくのだよ。』と言われたこともある。
僕は先輩達とご飯に行った際に、昔、話をした。
ボク 『早く出すだけの薬剤師って必要ないですよね? 処方箋に疑問を持って、一つ一つ知識を着実につけていく事が大事だと思いません? 何も考えずに「はい!」と患者さんに薬を出して、それで終わりの人なんて何年働いて、「薬剤師経験は何十年です。」って言っても一定のレベルで頭打ちじゃないですか。 そこを毎日考えて、何かしら知識をつけて行く人は、時間が経てば経つ程に知っているから早くも出せて、ミスも起こしにくい人間になりますよね。』
先輩ら 『その通りだねw』
と。
これは真理だとボクは思っている。
新卒でやり方がわからない薬剤師の人はそこを重要視していくべきだと思う。
ただ、あくまでもボクの考えだが。
他企業の教育論に削ぐわない教え方を他企業の新卒薬剤師の後輩に教えていたら、スマソ・・・
ただ、ボクはこのやり方で患者さん家族から感謝される事は何回かあっても、クレームを入れられた事はない。
ボクは一年目の時に転々と応援係(人手不足すぎて)をしていた際に、
別の店舗の管理薬剤師の方に『●●(元々のボクが所属)のお店に来ているお婆ちゃんの薬を貰いに来るお孫さんいるでしょ?その子のお母さん(めっちゃ恐いと薬局内で有名だったらしい)がここに来たんだけど、「●●には凄い相談に乗ってくれる良い薬剤師さんがいるそうだ。」と言われてたよ。』と言われた事がある。
新卒の時は誰をメンターとするかは非常に重要なんだと思う。
現場の先輩を参考にするのもよし、他企業の先輩を参考にするのもよし、自分にあった成長の仕方を見つけるべきではないのだろうか。