〜生体情報伝達学〜 【情報伝達物質】・【薬理学】①
薬学部を卒業してから、徐々に記憶が抜けていっている気がするので復習も兼ねて記事にしていこうと思う。
人間の【情報伝達物質】には、
・細胞間伝達物質
・細胞内伝達物質
がある。
細胞間伝達物質には、化学伝達物質が属している。
【化学伝達物質】には、
①神経伝達物質
②オータコイド(パラクリン、オートクリン)
③ホルモン
などが挙げられる。
化学伝達物質は、構造により分類分けがなされている。
①親水性物質・・・・細胞膜受容体
②脂溶性物質・・・・細胞内受容体
①の親水性物質は、1stメッセンジャーとして細胞膜に結合し、そこを入り口として細胞内へと情報伝達をしていく。
②の脂溶性物質は、細胞内の受容体に結合して情報伝達をしていく。
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タンパク質の中に、【GTP結合タンパク質(別名:Gタンパク)】というものがある。
コレらは薬が何故効くのか?を理解していく上でも重要なものとなる。
薬学生であれば、【薬理学】というものは国家試験に合格するためにも必須な武器となるもので、コレが苦手は国家資格合格への難易度が上昇する。
(※僕が学生時代に、国家資格の製作担当をしていた教授から独自にとった統計データの表を見せていただいたことがある。)
GTP=GDP +P(リン酸)
三量体(α・β・γサブユニット)からなる三量体Gタンパク質は、GPCR(Gタンパク質共役型受容体)というものと共役し、セカンドメッセンジャーとしての役割を果たす。
コレらの
・Gs (Stimulation:促進)
・Gi (Inhibition:抑制)
・Gq
などが医薬品が何故、効くのか?を理解していく上で役立ってくる。
しかし、コレらの理解のためには受容体とGタンパク質との組み合わせを暗記する必要が出てくる。
【Gq】・・・α1、M1、M3、H1、AT1、TAX2、B1、B2、5−HT2
【Gs】・・・β1、β2、D1、H2、V2、A2、5−HT4
【Gi】・・・M2、α2、D2、GABA B、H3、AT2、A1、5−HT1
α、βはアドレナリン受容体に分類される。
Mはムスカリン受容体といい、アセチルコリンなどと関係する。
ATはアンギオテンシン
TAXはトロンボキサン
Bはブラジキニン
HTはセロトニン
Aはアデノシン
アセチルコリン(Ach)のM(ムスカリン)受容体は、7回膜貫通型の受容体
また
アセチルコリン(Ach)のN(ニコチン)受容体は、イオンチャネル型で4〜5回膜槓子型の受容体である。
M受容体は、N受容体と異なり、受容体自身がイオンチャネルを持たないので、Gタンパク質と結合し、Gタンパクを利用してカリウム(K)チャネルを開口させます。
【Gタンパク質の働き】
①Gタンパク質は通常、αサブユニットにGDPが結合している。→ 不活化状態
②受容体で化学伝達物質が結合すると、GαサブユニットからGDPが遊離してGTPが結合する。
(※これは、細胞内ではGTP>>>GDPで量に差があるため)
③GTP結合型Gαサブユニットは、βγサブユニットから乖離して効果器を活性化させる。
④GαはGTPase活性を持っており、酵素(効果器)を活性化させた後に、GTPをGDPへ分解する。Gαサブユニットは、役目を終えるとβγサブユニットと再度くっついて①へと戻る。
今回はここまで。
それでは♪